設立の意義

この法人は、倉敷地区における骨粗鬆症治療ならびに脆弱性骨折予防に関する診療・研究を発展向上させ、地域住民の健康寿命延伸・QOL向上を図ることを目的とし、設立されました。

なぜ骨粗鬆症の治療が必要なのか

日本は世界有数の長寿国ですが、平均寿命と健康寿命(介助なしに生活できる寿命)との差は女性では10年以上あり、いわゆる寝たきりが問題となっています。寝たきりの原因は様々ですが、骨折・転倒はその1割を占め、その多くは骨粗鬆症を原因とする大腿骨近位部骨折(股関節周囲の骨折)と脊椎椎体骨折(背骨の骨折)です。

そして、人口の急速な高齢化に伴い骨粗鬆症の患者が年々増加しつつあります。その数はおよそ1280万人と推測されています。

骨粗鬆症は骨の「病的老化」で明らかな「疾患(病気)」であり、骨折は骨粗鬆症の合併症です。高血圧や糖尿病・高脂血症を治療して脳卒中や心筋梗塞を予防するのと同じように、骨折を予防するためには骨粗鬆症の予防および治療が必要です。

役員

理事長 曽根 照喜 川崎医科大学附属病院
副理事長 小出 尚志 倉敷紀念病院
理事 青山 雅 倉敷平成病院
清水 弘毅 しげい病院
髙超 秀和 玉島中央病院
竹井 義隆 倉敷市立市民病院
寺地 恭一 倉敷歯科医師会(てらち歯科医院)
棗田 将光 まび記念病院
西山 武 玉島第一病院
長谷川 徹 川崎医科大学
日野 洋介 倉敷紀念病院
松下 睦 倉敷中央病院
三好 信也 倉敷成人病センター
松村 隆司 倉敷市薬剤師会(北山薬局)
山田 明彦 倉敷市連合医師会(山田整形外科・歯科)
監事 重井 文博 しげい病院
顧問 福永 仁夫 川崎医科大学

事務局

倉敷市松島577 川崎医科大学 脊椎・災害整形外科学内

挨拶 / コメント

理事長挨拶

特定非営利活動法人 “倉敷骨を守る会”

倉敷骨を守る会 理事長
曽根 照喜

「倉敷骨を守る会」は、倉敷地区における骨粗鬆症治療ならびに脆弱性骨折予防に関する診療・研究を発展向上させ、保健、医療又は福祉の増進を図る活動を通じて、地域住民の健康寿命延伸・生活の質(QOL)向上を図ることを目的として、2017年に発足しました。その前年に地域での骨粗鬆症リエゾンサービスの普及を目指して開始した「倉敷OLS(Osteoporosis Liaison Service)ネットワーク」の活動を発展させ、2017年6月に特定非営利活動法人の認定を受けて現在に至っております。

活動内容は、医療関係者・一般市民を対象とした啓発運動が中心です。また、骨粗鬆症による骨折の1次予防、2次予防のための地域連携にも取り組んでいます。骨粗鬆症には医師、歯科医師、栄養士、薬剤師、看護師、理学・作業療法士などの多職種が関わり、骨粗鬆症予防と治療のためにはこれら多職種にわたる地域レベルでのネットワークづくりが重要と考えております。

本会の活動が骨粗鬆症の予防や治療を通して、地域住民の健康寿命延伸・QOL向上の一助になれば幸いです。

倉敷市連合医師会からのコメント

“倉敷骨を守る会”設立に当たって

公益社団法人・倉敷市連合医師会 会長
山田 斉

国民生活基礎調査によると、骨粗鬆症による骨折は、寝たきり等の要介護に至る原因として脳血管疾患、認知症についで多い疾患です。また椎体骨折は骨折部位が多いほど、生命予後も悪くなると言われており、一次予防・二次予防が重要となってきます。ビスホスホネート製剤をはじめとする多くの骨粗鬆症治療薬の登場により、海外では2000年を機に、大腿骨近位部骨折の発生件数の減少が見られるようになりましたが、日本ではいまだに増加が続いています。骨粗鬆症の低い治療率もその一因であると言われています。整形外科の先生だけでなく、我々かかりつけ医も、高血圧、脂質異常症、糖尿病等と同様、骨粗鬆症を生活習慣病と位置付け、生命予後の改善の為、また寝たきり状態の予防の為、骨粗鬆症の治療をもっと積極的に行う必要があります。

このたび、川崎医科大学・長谷川教授、大成講師のご尽力により、NPO法人「倉敷骨を守る会」が発足致しました。医師会と致しましても、患者さんのみならず、かかりつけ医へのさらなる啓発を行い、脆弱性骨折による要介護者が減り、高齢者が倉敷で豊かな老後を過ごされるよう、この会に全面的に協力をしてまいりたいと存じます。

倉敷歯科医師会からのコメント

「倉敷骨を守る会」に地域の歯科医師会として参加するに当たって

(一社)倉敷歯科医師会
寺地 恭一

この度、「倉敷骨を守る会」に地元歯科医師会として参加させて頂くことになりました。現在、地域差こそあれ高齢者率は増加の一途です。しかし、例え高齢者率が高くなっても元気な地域を作り、維持するためには健康長寿社会の構築は欠かせません。それには日頃の健康管理として「歯とお口の健康」は重要で、歯科医師会も行政や他職種の方と連携して様々な研修会を通して市民への啓蒙活動に取り組んでいる所です。

また、健康管理の中で高齢者にとって骨粗鬆症は脆弱性骨折を引き起こす身近な問題です。その骨粗鬆症予防にBP剤の使用は一般的になりつつありますが、頻度は低いものの難治性の顎骨壊死が発生することが報告されています。その原因に口腔内の歯周病や深部う蝕から発症する顎骨内病巣(歯根の尖端部病巣)等の感染源の存在が明らかとなっています。したがって、顎骨壊死の発症を予防するためにも日頃より継続的に口腔内管理を行い顎骨壊死の発症予防に留意することが大切です。

そのためには、医歯薬連携により適切に医療情報を共有し顎骨壊死発症を未然に防ぐことが重要で、本会が骨粗鬆症治療および脆弱性骨折予防に関する講演会や情報提供を目的にネットワークの構築が実現できた事は私共歯科医師会とっても有意義なことだと認識しております。

今後はこのネットワークを通じて地域の方々に安心して生活できる環境構築に貢献できればと期待しています。

倉敷市薬剤師会からのコメント

倉敷骨を守る会発足にあたり

薬剤師会

この度、「倉敷骨を守る会」が発足しました。

倉敷薬剤師会(岡山県薬剤師会 倉敷支部)は倉敷医師会・倉敷歯科医師会とともに運営に参加しています。

超高齢社会が進む中、骨粗鬆症の増加は、介護・医療の面から大きな社会問題になっており、骨粗鬆症に対する正しい知識の普及は重要な課題です。

倉敷薬剤師会は、約280名の会員で構成されている薬剤師(薬局・病院)の団体です。薬剤師の専門的な知識を生かして、主に骨粗鬆症に対する薬物治療の面からこの活動に積極的に参加し、貢献していきたいと考えおります。

こうした活動により、骨折やそれに伴う寝たきりの防止など、倉敷市民の皆さんの健康で幸せな生活につながるよう努めさせていただきます。